理学療法学生の実習中の自殺問題と裁判について考えてみた

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理学療法士や作業療法士になるためには、厳しいと言われる実習をクリアしないといけないのですが、その間には様々な問題が起こります。

理学療法学生の実習中の自殺問題、その裁判について

以前こちらのブログで理学療法士の実習生の自殺問題について取り上げました。

参照) 理学療法学生の自殺問題 これは他人ごとではないですよ

 

こちらは実際に行われた裁判の話と、私の実習の実体験をご紹介しました。

もしまだご覧になっていないのであればご一読ください。

 

目次

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理学療法実習生の自殺問題に関する裁判

先日ネットサーフィンをしているときに、あるサイトに辿りつきました。

 

理学療法士学生の実習問題を問う

 

こちらのサイトには、2013年に自死された元学生のご家族が、専門学校と実習先のクリニックを相手取って起こされた裁判の経過が詳しく書かれています。

 

私は法律の専門家ではありませんので、裁判のことや法律うんぬんを語るつもりはありません。

ただこちらのサイトを拝見して、何人かの理学療法士や作業療法士と実習について語る機会がありました。

 

そこで話題に上がった問題点をご紹介します。

 

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なぜ実習で問題は起こるのか?

これは理学療法士という職業人、大学や専門学校、そして学生の3つ分けると理解しやすいです。

理学療法士という職業人

当たり前ですが、理学療法士はリハビリテーションのプロです。ただし、理学療法士は教育のプロではありません。

どちらかというと専門家にありがちな専門バカである人が多く、人に伝えたり、教えたりすることはとても苦手です。

 

「おまえに何が分かるんだ」と文句を言いたい人もいらっしゃるかもしれませんね。

 

でも教育畑で歩いてきた私から見て、分かりやすい授業ができる人は皆無ですし、コミュニケーションの取り方も下手な人が本当に多いです。

また一般のサラリーマンと比べると、他業種との関わりがあまりにも少なく、井の中の蛙となっているセラピストはたくさんいます。

 

しかも自分たちが修行のようにいじめられてきた実習が、自分の実習のベースになってしまっているので、それを覆すことは難しいです。

口では「俺が学生を担当したらこんな仕打ちはしない」と言う人も多いですが、潜在意識に植え付けられているイメージは、本人が思っているより本人を浸食しています。

親が暴力をふるう家に育った子どもが、問題解決のために暴力をふるいやすくなるのと同じです。

 

もちろん学生と向き合う理学療法士もいますが、全体としての教育レベル、人間としての熟成度は低く、そこに自分の経験が悪い方に作用して、結果として学生に厳しくなってしまう傾向にあると思います。

 

大学や専門学校

ベースにあるのは学校乱立により教育の質の低下、これは間違いなくあります。

 

学校での教育って臨床を5年経験したからできるものじゃないです。

臨床で培った技術や知識があることは認めますが、それと人に教える能力があることは別問題です。

 

もっとひどいのは大学で研究ばかりしている先生。自分の専門分野はすごいレベルで語れますが、学生が成長するために必要なのかは微妙です。

ただ趣味のうんちくになっているだけの先生もちらほら見かけます。

 

あと忘れてはならないのは学校もひとつのビジネスであるということ。

学生に厳しくしすぎると、「あそこの学校は厳しいらしい」と噂が立って、受験や入学に響きます。

 

また留年生をあまり多くかかえると、使用する教室のキャパの問題が起こったり、低学年の場合は最悪翌年の入学定員に響く可能性もあります。

そうなると入学金という収入が入らないため、学校としては多少甘くなる傾向にあります。

 

学生

医療業界って以前は聖職と呼ばれるだけあって、誰かのお役に立ち立ちと思える人だけがなるべきです。これは福祉業界でも同じです。

最近学校が増えすぎて、どんな人でも大学や専門学校に入学できる時代となりました。

 

たとえば別に理学療法士になりたくないけど、とりあえず受験に受かってしまったとか、親が行けって言うから入学した、そんな学生も少なくありません。

でもやはり本質は患者さんや利用者さんのためにがんばれる人だけが、理学療法士や作業療法士を目指すべきだと思います。

 

全ての学生がそうだとは言いませんが、昔に比べると最低限のマナーを守れない学生や、提出物を出さない学生が増えました。

先ほど述べた大学や線も学校の問題ともリンクしますが、あまりにもさぼる学生を許しすぎると、職業団体としての質が保てなくなるので、ある程度実習では忙しくなるのが当たり前だと思います。

 

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結局どれが問題なのか?

いろいろ書いてきましたが、どこに問題があって実習が厳しくなるのかというと、それは一概には言えません。

バイザーとなっている理学療法士が悪い場合もありますし、学校の教育が悪い場合もあります。

またあまりにもひどい学生がいるのも事実です。

 

ただひとつ言いたいことは、どんな理由があるにせよ、実習生が自殺することはあってはいけませんし、この状況を一刻も早く変えていかないといけません

 

実際、さきほどご紹介したサイトでは、同じ専門学校で2名の自殺者が出ていると書かれていました。

私の周りの理学療法士の学校でも以前学生の自殺があったそうです。

 

そう考えると、裁判になっている自殺の問題は氷山の一角で、多くの自殺者が出ている可能性もあります。

医師や看護師など、他の医療従事者の実習でも同じ事態が起こってないのか、そのあたりも気になるところです。

 

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まとめ

理学療法実習生の自殺について考えてきました。

この問題は、裁判をおこされたご本人やご遺族だけの問題ではなく、すべての理学療法士や今後理学療法士を目指す学生さんの問題でもあります。

 

今後も注意深く見守っていきたいと思います。

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