理学療法士は独学で絶対なれない!国家資格取得手順を解説します

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とあるPT
理学療法士のぷうです。この記事では理学療法士の国家資格について法律に照らし合わせながら正しい取得方法を解説していきます。

「理学療法士 独学」で検索されているあなたへ。

単刀直入にいうと理学療法士の国家試験を独学で取得することは無理です。

「手順を適切に踏めば」とか、「難しい」とかではなく、どれだけがんばっても法律的に無理なんです。

これは理学療法士だけでなく、作業療法士でも柔道整復師でも鍼灸師、あん摩マッサージ師でも同じです。

「なんだ、独学で理学療法士になるのは無理なのかぁ」と考えた人のために、理学療法士と混同されがちな整体師なら独学でも取得できるので合わせて解説します。

ただ本音をいえば整体師はおすすめしません。

そのあたりも最後まで読んでもらえればしっかり理解できますので、最後までお読みください。

理学療法士の国家資格取得の流れ

まずは理学療法士の国家資格取得の流れです。


STEP.1
高校卒業or高卒認定試験合格
理学療法士になるには、まず高校卒業(もしくは高卒認定、旧大検)が必要になります。これは法律に記載されています。

STEP.2
理学療法士の養成校で勉強
理学療法士の養成校(専門学校、大学)に入学して、最低3年以上勉強する必要があります。

とあるPT
最近は大学が増えてきたので4年制が多いですが、専門学校は3年制が多いです。


STEP.3
理学療法士の国家試験合格
養成校で理学療法士の国家試験受験のためのすべてのカリキュラムを修了すれば、いよいよ国家試験の受験資格が与えられます。国家試験はマークシート方式で行われます。

STEP.4
厚生労働省に登録
国家試験合格後、「理学療法士の国家試験に合格しました!」と申請すれば、厚生労働大臣から理学療法士免許が交付されます。

STEP.5
免許が届けばやっと理学療法士!
これで晴れて理学療法士として働けます。

PTを目指す学生
理学療法士になるには、けっこう長い道のりが必要なんですね。
とあるPT
国家資格やからね。しっかり勉強しないと与えられへんわ。
独学で取れないってどこに書かれてるんですか?
とあるPT
それは法律に記載されてるから、次で詳しく話すわ。

理学療法士の国家資格取得に関する法律を確認

理学療法士の国家資格については、昭和40年に制定された「理学療法士及び作業療法士法」で規定されています。

まずSTEP.1と2については、第三章『試験』の第十一条には次のように書かれています。

(理学療法士国家試験の受験資格)
第十一条 理学療法士国家試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
一 学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第九十条第一項 の規定により大学に入学することができる者(この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第二項 の規定により当該大学に入学させた者を含む。)で、文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した理学療法士養成施設において、三年以上理学療法士として必要な知識及び技能を修得したもの

引用)厚生労働省 理学療法士及び作業療法士法

とあるPT
前半に「大学に入学できる者」と書かれてるやろ?これが高校卒業が必要っていう根拠。
PTを目指す学生
なるほど、ちゃんと書かれてるんですね。
とあるPT
「文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した理学療法士養成施設において」もポイントね。勝手に理学療法士の養成講座を開くことはできないってこと。

STEP.3~5については第二章『免許』の第三条に書かれています。

(免許)
第三条 理学療法士又は作業療法士になろうとする者は、理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許(以下「免許」という。)を受けなければならない。

引用)厚生労働省 理学療法士及び作業療法士法

とあるPT
理学療法士として働きたかったら、国家試験に合格して、厚生労働大臣から免許もらってやってことね。
PTを目指す学生
へぇ~、国家試験に合格しただけじゃダメなんですね。知りませんでした。

整体師なら独学で取得できるがおすすめしない

PTを目指す学生
ひとつだけいいですか?整体師・・、だったかな。前に新聞に養成講座っていう広告が載ってあったんですけど、整体師と理学療法士は違うんですか?
とあるPT
う~ん、それなんやけど・・・。
PTを目指す学生
どうしたんですか?
とあるPT
整体師は理学療法士とは全く違うただの民間資格やねん。
PTを目指す学生
民間資格?

理学療法士と整体師をごっちゃにする人が多いのですが、理学療法士と整体師は全く違います。

一番大きな違いは、理学療法士は国家資格で、整体師は民間資格(勝手に名乗れるので資格ですらない。後述)。

さきほど理学療法士の資格を取得する手順のところで、「文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した理学療法士養成施設において」がポイントとお伝えしました。

これは文部科学省のお墨付きで、都道府県知事が許可を与えた、ちゃんとした施設で学ばないと理学療法士になれないことを意味します。

逆に整体師は民間資格なので、

誰が設置しようが
どんなカリキュラムであろうが
知識や技術が身についてもつかなくても

そんなことは全く問題になりません。

とあるPT
たとえば私が勝手に「○○療法」みたいなうさんくさい施術法を開発して、整体師として資格を与えることもできるんやで。
PTを目指す学生
ほんとですか?
とあるPT
もっといえば、勝手に整体師と名乗ることもできる。なる子ちゃんも今日から名乗れるで。
PTを目指す学生
まじっすか?!

「私、理学療法士ですよ」と名乗るには理学療法士の国家資格を取得している必要があります。

これを名称独占といって、理学療法士及び作業療法士法で定められています。

整体師を規定した法律はありません。だから誰が整体師と名乗ろうが勝手です。

とあるPT
ここが民間資格と国家資格の重さの違いかな。
PTを目指す学生
そんなに勝手に、しかも簡単に名乗れる資格だと怖いですね。
とあるPT
20年近く理学療法士をやってても、患者さんの治療をするのは怖いし気を使う。それやのに、養成講座を受けて民間資格を得た人に触ってもらうのはなぁ・・・。

オフィス街や街中のあちこちに整体院はありますし、整体師という名前にも違和感がない人は多いです。

ただ、実際にはどれくらいの技術や知識で人の体に触っているのか疑問を感じます。

理学療法士や作業療法士に独学でなれないからといって、「じゃあ、独学でなれる整体師になろう!」とうのは、安易すぎるといわざるをえません。

どうしても人の体に触れて、身体を治す仕事に就きたいのであれば、ちゃんと国家資格を取得して仕事をしましょう。

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