「理学療法士 独学」で検索されているあなたへ。
単刀直入にいうと理学療法士の国家試験を独学で取得することは無理です。
「手順を適切に踏めば」とか、「難しい」とかではなく、どれだけがんばっても法律的に無理なんです。
これは理学療法士だけでなく、作業療法士でも柔道整復師でも鍼灸師、あん摩マッサージ師でも同じです。
「なんだ、独学で理学療法士になるのは無理なのかぁ」と考えた人のために、理学療法士と混同されがちな整体師なら独学でも取得できるので合わせて解説します。
ただ本音をいえば整体師はおすすめしません。
そのあたりも最後まで読んでもらえればしっかり理解できますので、最後までお読みください。
理学療法士の国家資格取得の流れ
まずは理学療法士の国家資格取得の流れです。
理学療法士の国家資格取得に関する法律を確認
理学療法士の国家資格については、昭和40年に制定された「理学療法士及び作業療法士法」で規定されています。
まずSTEP.1と2については、第三章『試験』の第十一条には次のように書かれています。
(理学療法士国家試験の受験資格)
第十一条 理学療法士国家試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
一 学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第九十条第一項 の規定により大学に入学することができる者(この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第二項 の規定により当該大学に入学させた者を含む。)で、文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した理学療法士養成施設において、三年以上理学療法士として必要な知識及び技能を修得したもの
引用)厚生労働省 理学療法士及び作業療法士法
STEP.3~5については第二章『免許』の第三条に書かれています。
(免許)
第三条 理学療法士又は作業療法士になろうとする者は、理学療法士国家試験又は作業療法士国家試験に合格し、厚生労働大臣の免許(以下「免許」という。)を受けなければならない。
引用)厚生労働省 理学療法士及び作業療法士法
整体師なら独学で取得できるがおすすめしない
理学療法士と整体師をごっちゃにする人が多いのですが、理学療法士と整体師は全く違います。
一番大きな違いは、理学療法士は国家資格で、整体師は民間資格(勝手に名乗れるので資格ですらない。後述)。
さきほど理学療法士の資格を取得する手順のところで、「文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した理学療法士養成施設において」がポイントとお伝えしました。
これは文部科学省のお墨付きで、都道府県知事が許可を与えた、ちゃんとした施設で学ばないと理学療法士になれないことを意味します。
逆に整体師は民間資格なので、
誰が設置しようが
どんなカリキュラムであろうが
知識や技術が身についてもつかなくても
そんなことは全く問題になりません。
「私、理学療法士ですよ」と名乗るには理学療法士の国家資格を取得している必要があります。
これを名称独占といって、理学療法士及び作業療法士法で定められています。
整体師を規定した法律はありません。だから誰が整体師と名乗ろうが勝手です。
オフィス街や街中のあちこちに整体院はありますし、整体師という名前にも違和感がない人は多いです。
ただ、実際にはどれくらいの技術や知識で人の体に触っているのか疑問を感じます。
理学療法士や作業療法士に独学でなれないからといって、「じゃあ、独学でなれる整体師になろう!」とうのは、安易すぎるといわざるをえません。
どうしても人の体に触れて、身体を治す仕事に就きたいのであれば、ちゃんと国家資格を取得して仕事をしましょう。