今回は中卒で理学療法士を目指す人のために、中卒で理学療法士になったこーじさんに苦労した話を聞いてみました。
中卒で高校を卒業せずに仕事を始めたけど、なんとなく将来が不安になって、
「もう一回勉強して資格でも取ろうかな」
と考える人は多く、資格の選択肢として理学療法士も候補になってきます。
中卒で理学療法士になろうと考えたときに訪れる疑問は、
- 中卒の学歴で理学療法士を目指せるのか?
- 中学までの勉強しかしていない自分に理学療法士の養成校の勉強はついていけるのか?
このふたつが考えられます。
でも大丈夫。
実際に中卒で理学療法士になった人はいます。
ただし、勉強するという覚悟も必要なので、そのあたりを中卒で理学療法士になったこーじさんに聞いてみました。
中卒で理学療法士を目指そうと考えている人はぜひ最後までお読みください。
※このブログに登場するこーじさんは、個人が特定されないように一部内容に修正を加えています。ただし最終学歴が中卒、専門学校に入学して理学療法士になったのは本当ですので、その点をご了承いただけた人だけ読み進めてください。
中卒で理学療法士を目指すには高校認定試験が必要
まず中卒で理学療法士を目指す流れについて確認しておきましょう。
ざっとこんな感じです。
一番知りたい部分であるかもしれませんが、理学療法士を目指すには高校卒業もしくは高卒認定試験合格が必要です。
検索してもらえばわかりますが、理学療法士の大学や専門学校の出願資格には次のように書かれていることが多いです。
次の1~3のいずれかに該当する者。
- 高等学校または中等教育学校を卒業した者、および20XX年3月卒業見込みの者。
- 通常の課程による12年の学校教育を修了した者、および20XX年3月修了見込みの者。
- 学校教育法施行規則第150条の規定により高等学校を卒業した者と同等以上の学力があると認められた者、または20XX年3月までに認められる見込みがある者。
さらに理学療法士の国家資格の法律である理学療法士及び作業療法士法にも、次のようにしっかり規定されています。
(理学療法士国家試験の受験資格)
第十一条 理学療法士国家試験は、次の各号のいずれかに該当する者でなければ、受けることができない。
一 学校教育法 (昭和二十二年法律第二十六号)第九十条第一項 の規定により大学に入学することができる者(この号の規定により文部科学大臣の指定した学校が大学である場合において、当該大学が同条第二項 の規定により当該大
学に入学させた者を含む。)で、文部科学省令・厚生労働省令で定める基準に適合するものとして、文部科学大臣が指定した学校又は都道府県知事が指定した理学療法士養成施設において、三年以上理学療法士として必要な知識及び技能を修得したもの
前半に「大学に入学することができる者で」と書かれていますね。
ですから、最終学歴が中卒で理学療法士を目指すなら、まずは高校を卒業するか、高校認定試験をクリアする必要があります。
さらに高校卒業もしくは高卒認定試験合格しても、理学療法士養成校の受験、そして理学療法士養成校での勉強とさらにハードルは続きます。
特に理学療法士養成校での勉強はかなりハード。
その勉強についていくだけの根性があるかどうかですね。
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中卒で理学療法士を目指すとに訪れる4つの壁
今回ご協力いただいたのは理学療法士のこーじさんです。
中学卒業後、高校には入学しましたが、ヤンチャな諸事情により中退。
その後、工場で数年勤務を経て、20歳になったのを機に理学療法士を目指すことを決意しました。
ではインタビューを始めます。
机に向かうところから始める必要あり
すでにこーじさんのようにすでに働いている人や、いま現在高校に通われていない人が最初に目指さないといけないのは、高校認定試験か高校卒業です。
でもその前に、机に向かうという習慣がないので、勉強を始めることがまず大変だったとのこと。
これがひとつ目の壁です。
高校認定試験のレベルはセンターよりもやさしい
こーじさんは知人のツテを頼って、個人塾で高校生にまじって特別に勉強させてもらったそうです。
いまは探せば高校認定試験のための塾や通信教育、オンライン講座などがありますので、ひとりで勉強できない人は利用してみましょう。
ちなみに高校認定試験のレベルはセンター試験よりもやさしいといわれていますが、高校でしっかり勉強していることが前提です。
そう考えると、高校で学んでいない人にとっては難しいといえるでしょう。
これがふたつ目の壁です。
理学療法士養成校の受験レベルは下がっている
理学療法士の養成校は20年前に比べると、かなり学校が増えて、募集人員も増えています。
どちらかといえば大学に人気が集まる傾向で、専門学校は定員割れ(もしくは定員割れ寸前)しているところもあります。
そういう人気のない専門学校で、しかも比較的早い時期の入試では、学校は生徒を早めに確保したい思いがあり、合格しやいといわれています。
うまく受験する学校を選べばいいんですね。
3つ目の壁はなんとか下げられそうです。
理学療法士養成校での勉強はかなりきつい
理学療法士の養成校で学ぶのは医療や介護ついての基礎知識なのですが、その範囲は膨大です。
実際に現場で活躍されている医師が講師をしてくれる授業もあれば、医療英語について授業、パソコンの授業、レクリエーションの授業なんかもあります。
それを3年もしくは4年詰め込むんですから、かなり忙しいんですよね。
4つ目の壁が一番高いので、中卒から理学療法士になろうとする人は腹をくくって入学してくださいね。
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中卒で理学療法士を目指す人へのQ&A
インタビューの中で、気になったことをこーじさんに聞いたので、それを最後にQ&Aという形で載せておきます。
中卒で養成校に入学したら、何かマイナスな部分はありますか?
いいえ、ありません。
理学療法士の養成校に入学してしまえば、中卒で高校認定試験を受けた人でも、高校を卒業している人でも、扱いにはなにも変わりはありません。
その人がどれだけ勉強するか次第です。
理学療法士として就職するときに中卒は不利になりますか?
ならないと思います。
たしかに履歴書には正直には経歴を書かないといけませんので、それを見たら気になる面接担当者もいるでしょう。
ただ「回り道をしたけど、それでも理学療法士になるためにがんばった」、その経験は必ずプラスになりますので、どうアピールできるかが大事ですね。
最後にこのブログを読まれている人にメッセージはありますか?
本当に理学療法士になる覚悟があなたにあるか、どうか。
これを読んでいる人はおそらく中卒から理学療法士を目指そうと思っている人だと思います。
高校を卒業しなかったのには何か理由があるのでしょうが、それはもうどうでもいいです。いまさら後悔しても仕方がないですからね。
本当に理学療法士になりたいのであれば、とにかく勉強してください。それしかありあせん。
私は机に向かう習慣がないところから始めましたが、それでも理学療法士になりたいという信念を貫いて理学療法士になりました。
みなさんも、本気で理学療法士を目指すのであればやれるはずですよ。がんがってください。