近年業界では話題になっていますが、理学療法士養成校の偏差値がガタ下がり状態です。
今回は理学療法士養成校の偏差値の現状について考えてみましょう。
最近電車に乗っていると、オープンキャンパスやAO入試のポスターをよく見かけます。その中には理学療法士や作業療法士の養成校のポスターももちろんあります。
昔のことを自慢気に話すのは嫌いですが、私が入試を受けた15年前というのは理学療法士の人気に火が着く直前でした。
養成校はいまの半分以下、定員はいまの1/3程度だったようでしょうか。当然入学試験の倍率も高かったです。
私が受験した専門学校の一般入試では、募集30人弱に対して約700人の応募がありました。当日受験しない人や、入学辞退者も見越して多めに合格させますが、それでも倍率は15倍程度ありました。
それがいまではどうでしょう。専門学校の入試では合格定員を下回ることもあります。大きな問題がない限り、試験さえ受ければ合格するということです。
また専門学校人気が陰りを見せ、大学に変わっていくところも多いです。それほど何か手を打たないと経営が厳しいということでしょう。
生き残りをかけて
経営が厳しいのは専門学校だけではありません。大学だって同じです。
少子化に伴い、いまや大学は全入学時代に突入しました。どこでもよければ、大学に入ることはそれほど難しいことではなくなりました。
さらに追い打ちをけけるように『2018年問題』も控えていて、今後さらに子どもが減ることは明らかです。そのため大学でもあの手この手を考えて、受験生・入学生の確保に躍起になっています。
その1つが入試回数を増やすこと。数撃ちゃ当たれの原理で、とにかく受験の回数を増やします。
AO入試、推薦入試だけでも数回。一般入試でいえば、センター利用や前期、後期、なんちゃらかんちゃら、なんでこんなに受験があるんやっていうぐらい試験が行われています。
また系列校からの高校生確保も最近の重要なポイントですね。
以前は大学といえば国公立の大学しかありませんでした。(関東以外)ですから「理学療法士養成系の大学に行く=国公立に行く」という感じでしたが、現在は私立が乱立しています。
その私立には系列の高校があることが多く、系列校から推薦入学という形で入学定員の一部を満たすようにします。
この仕組みってどちらもWin-Winでいいですよね。高校生にとってはあまり頑張らなくても早めに大学が決まりますし、大学にとっても入学が計算できます。
先日ある理学療法士がこんなことを言ってました。
「関西で理学療法士養成課程のある大学の付属高校に偏差値見たことありますか?かなりやばいところが多いですよ」
たしかに系列校の偏差値を見ると、低いところも目につきます。
そんなところから推薦入試で入ったら、学生のレベルも下がっていっちゃいます。
大学や専門学校が増えて業界が活気づくこと自体はいいのですが、高いレベルの職業集団になりきれないのであれば、人数が増えることにはそれほど意味がありません。
不安は多いですが、今後もその傾向は続きそうですね。