理学療法士の転職では絶対成功したいですよね。だって転職で失敗して後悔するなら、転職なんてしない方がましです。
そこで今回は理学療法士の転職時に成功するために、転職時に考えるべきことをまとめてみました。
かなり長文ですが、これから転職を考える人に役立つことを詰め込みました。転職で成功したい人はぜひ最後まで読んでください!
理学療法士として働いていると、ふと立ち止まって考えることってありますよね。
「俺はこの病院でずっと勤めるべきなのか?」
「私がやりたいことは他にあるんじゃないか?」
「もっと給料がいい職場があるはず・・・」
実際、理学療法士が急増するにつれて、転職を希望する人もどんどん増えています。
転職時の条件はどんどん厳しくなってきているといわれていますが、それでも転職を希望する人が増えているのは、理学療法士として働く中でいろいろ不満を抱えています。
理学療法士の転職理由とは?どんなことに不満があるの?
では実際に理学療法士が転職するのはどのような理由なのでしょうか。簡単にいうとどんな不満があるから転職しようと思うのでしょうか。
理学療法士の職場の人間関係
理学療法士の職場の人間関係に悩んで辞める人は本当に多いです。
理学療法士で病院や介護施設に勤めて主に関わるのは、
- 医師
- 看護師
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- ケアマネージャー
- 相談員
- 介護士
- 患者さん
- 家族さん
- あたりでしょうか。
この中でいうと特に他の理学療法士との関係に悩む人が多いです。
病院や介護施設ってけっこう閉鎖的な職場です。「病院」や「介護施設」のリハビリテーション科が自分の町みたなもので、外界(他の職業)を見聞きする機会ってそれほどないですよね。
そんな閉鎖的な職場でトップがややこしかったら最悪ですよね。閉鎖社会ではもはや長(おさ)みたいな存在です(笑)
実際にはこのパターンが一番多いと思うんですけど、スタッフのことをわかろうとしなかったり、自分の保身ばっかり考えていたり、やらなくてもいい仕事ばかり引き受けたりしていたら、スタッフは疲弊してしまいます。
また科長じゃなくても、嫌な上司や働かない部下がいれば、毎日イライラしていまいます。
人間関係って職場の土台となる重要な部分ですから、やっぱりここが揺らいでしまうと、働き続けることができなくなります。
理学療法士としての給料が異常に安い
人間関係と並ぶ転職理由が給料です。やっぱりお金って大事ですよね。
たとえどれだけやりたい環境が整っていて、スタッフの関係が良好でも、めちゃくちゃ給料が安かったら働き続けることなんてできません。
患者さんがたくさん集まってきて、最先端の手術をしている病院では給料を安く設定していることが多い気がします。
「ここでは勉強できるんだから、給料が安くても文句いうな」って感じでしょうか。
私が実際に聞いている話だと、その病院の初任給は年収ベースで280万円弱。これだと普通の理学療法士の新卒の初任給の年収ベースより40~50万円くらい低いです。
それでも理学療法士が集まっているのですから、ある意味では需要と供給の関係は成り立っているのかもしれませんね。
ただし、新卒時にその給料でよくても、結婚して子どもが生まれたり、マイホームを購入したりすると、その給料でやっていくのは厳しくなって、最終的には給料が上がるところに転職せざるを得なくなります。
やりたいことができない、もしくはやりたくないことをさせられる
理学療法士としてやりたいことができないことも転職する理由に挙げられやすいです。
たとえば急性期の患者さんをみたいと思って就職した病院で、訪問リハビリを開始することになり、急性期から訪問リハビリの担当に回されることは当たり前のようにあります。
「1年だけお願い」「立ち上げだけお願い」と口約束したはずが、後継のスタッフが見つからないから、忙しすぎて担当を引き継げないなどの理由で何年もずるずるやるパターンも多いですよね。
もちろんそれで訪問リハビリが楽しくなればいいんですけど、やっぱり急性期の患者さんがみたいのであれば転職するしかなくなります。
あとワークライフバランスを重視しようと思っていたら、研究ばかりすることになって毎日遅くまで残ってデータをとったり、まとめたりしているという話もよく聞きます。
理学療法士としての仕事がつらい
理学療法士として働いていると、たくさんの責任を背負うことになります。
特に理学療法士になってすぐの頃にはわからないことだらけで、手探りでやっている中で、「なぜ患者さんはよくならないんだろう」とか、「自分の治療は間違っているのだろうか」とか、自問自答を繰り返すことが多いです。
患者さんの人生は一度限りなので、私たちの試行錯誤もを待ってはくれません。
そんな責任と向き合うのがつらいという理由で転職しようとする人がいます。
あと責任うんぬんとは別に、単純に朝から晩まで働いて、そこから学会発表の準備をしたり、土日の休みをつぶして勉強会にいったりする生活がしんどいという人もいますね。
理学療法士として職場や業界の将来に希望がもてない
理学療法士として働いているとあまり良くないニュースや頭の痛い話題が飛び込んでくることが多いです。
たとえば超高齢化社会の中で、リハビリの対象となる高齢者や障害者が急増し、医療や介護の予算をひっ迫し、理学療法の点数が減少しています。
理学療法の点数が減れば、私たちが稼げるお金が減り、自ずと病院や介護施設が払える給料も減ってきます。だって稼げないんですから、そんなに高給は渡せないでしょ。
さらに追い打ちをかけるように理学療法士養成校の乱立により、理学療法士が急増していることで業界の職能が下がることが懸念されています。
そんな業界の情勢を目の当たりにすると、「このまま理学療法士を続けてても大丈夫なのかなぁ」と不安に思い、他職種や他業種に転職する人が増えてきています。
理学療法士がイメージしているものと違った
理学療法士になろうと思ったのには何か理由があるはずです。
たとえば、自分が高校生のときにケガをして担当してくれた理学療法士に憧れたとか、寝たきりになりそうだったおじいちゃんに必死でリハビリしてくれた理学療法士が格好いいと思ったなどです。
でも理学療法士の養成校では地獄のような実習を乗り越え、晴れて理学療法士として働き始めてみると、何か思ったな仕事と違ったというのもよくある話です。
だって患者さんや家族として見ていたら、しんどい部分ってわかりませんが、実際に理学療法士なるとしんどいことの方が多いじゃないですか。
それを切り取って、良い部分ばかりに憧れていると、いざ仕事を始めたときに「なんか違う・・・」となるわけです。
何か違うと思ったらそのまま理学療法士を続けるか、違う職業に転職するか、どちらかを選ぶ必要があります。
理学療法士として未経験の分野を経験してみたい
ここまではどちらかというとネガティブな理由が多かったのですが、やっと前向な理由が登場です。
たとえば整形外科の急性期でずっと働いていると、その後患者さんがどんなリハビリをして、どのような動作レベルまで回復したか全然わからず、急性期以外のリハビリも経験したいと思うことがあります。
あと脳外科の患者さんばかりをみていると、自分の仕事の幅を広げるために整形外科や呼吸器の患者さんをみたいと思うこともあります。
もし病院が急性期の患者さんしか受け入れていなかった場合、自分が回復期や慢性期、在宅の患者さんをみたいと思えば、他の病院や介護事業所に移るのが手っ取り早い方法です。(※自施設で希望する分野の治療が行われていない場合)
女性理学療法士として仕事と私生活の両立が難しい
女性として働いていると男性よりも多くの問題が起こります。
たとえば、出産や育児、家事と仕事の両立。
最近は夫が育児や家事を手伝うようになったとはいえ、育児や家事は母親が中心的な役割を担っていることが多いです。出産は男性ができませんし・・・。
どんなに給料がよい職場でも、どんなに人間関係がよい職場でも、家族や家のこととが両立できないのであれば、そのときは転職せざるを得なくなります。
何となくその職場が嫌だから
これは問題外なのですが、意外とこういう人がいます。
「なぜ転職したいの?」と聞いて、「まあ◯◯にも不満はありますし、△△が好きかといわれればそうでもないですし。だからといって辞めるほどかといわれればそうでもないんですけど」って何がいいたいのかわかりません。
こういう人は先に転職理由を明確にした方がいいんですけど、何となくやめたいみたいですね。
スポンサードリンク理学療法士の転職時の悩みとは?
理学療法士が転職したいと思う理由はいろいろあることはわかったと思うのですが、転職したくても転職しない(できない)理学療法士もけっこう多いんです。その理由とは?
理学療法士としてそれほど自己PRできるものがない
新卒で就職するときと既卒で働いてる人が転職するときの一番大きな違いはすでに知識や技術、経験があるかどうかです。細かいことをいえば理学療法士免許があってすぐに働けるかどうかも大きいですよね。
経験者を採用するってそういう部分に期待するわけで、そこに少し給料を多く支払うわけです。どうでもよければ新卒をとった方が給料は安くて済みますし、教育の手間はありますが職場の色にも染めやすいです。
だったら「私はこんなことをやってきました」とか、「私はこの部分の治療技術では誰にも負けません」とか、そうやってPRするところが絶対欲しいですよね。
「私は適当に理学療法をやってきたので、人にアピールするようなものがありません」っていう人もいると思うんです。
でも自分が採用側になって考えてみると、そんな人はいらないですよね。
嫌だ嫌だといいながらなかなか転職しようとしない人は、自分に自信がないのかもしれません。
理学療法士として経験年数1年目もしくは勤めて間もない
「1年目で転職しようとする理学療法士なんているの?」と思われるかもしれませんが、意外と1年目の理学療法士の転職希望は多いのです。
それは先ほど上で書いていたように、思っていたのと違っていたとか、想像以上にしんどかったというのが大きな理由でしょうか。
1年目だからといって転職できないわけではありませんが、「石の上にも三年」という言葉があるように、すぐに辞めてしまう人を採用することは雇う側は慎重にならざるをえません。
だってそういう人は雇ってもすぐに辞めてしまう可能性があるわけで、本人が「今度はがんばります」といっても、「じゃあいまがんばりなよ」って話になってしまいます。
既卒者で長年勤めた病院や介護施設から転職して間もない人も同じですよ。前の職場で働いた期間よりも、いま働いている職場でどれくらい働いていたかを重視されます。
そこそこ歳をとっている
歳をとっている人も転職しにくいですよね。ここでいう「そこそこ歳をとっている」は30代前半ではなく、おおよそ30代中盤以上を指しています。
現にGoogleでは「35歳 理学療法士 転職」や「40代 理学療法士 転職」など、30代中盤以降の転職に関するキーワードで検索されていることがあります。
歳をとっているから絶対ダメってことはないですよ。でも歳をとっていることが足かせになることも多いです。
たとえば給料面では経験年数が少ない人よりも多く渡さないといけませんが、その人がどれくらい働くは未知数なのでけっこう後々揉めごとの原因になる可能性もあります。
そんなこともあり採用側が動きにくいことがわかっているので、転職を躊躇してしまいます。
あと歳をとっていると新卒のときよりもいろいろこだわりが多いので、あれは嫌、これも嫌といっていると就職する病院や介護施設はかなり少なくなってしまいます。
理学療法士で転職回数が多い
転職ばかり繰り返している理学療法士を採用するとき、採用側としてもいろいろ不審に思うことも多いです。
「なんでこの人はこんなに転職を繰り返してるんだろう。何か問題がある人なのかな?うちに来てもまたすぐ辞めてしまうんじゃないか」と。
書類選考や面接時にそういう目で見られることがわかっているので、なかなか転職に踏み出せない理学療法士もいます。
給料が上がるか不安
いまの給料に不満があるから転職したいと思っても、新しい職場での給料が絶対にいまの給料以上になるとは限りません。
少し前なら「転職=給料アップ」だったのですが、いまは給料面はかなり厳しくなってきているので、転職したからといって必ず給料が上がるわけではありません。
給料が上がらないなら、あえて転職する必要性を感じず、いまの勤務先に居座っている理学療法士は多いです。
理学療法士として自分が希望する職場は見つかるのか?
転職するということは、いまの職場よりも待遇面やリハビリの環境が、いまより上回っているところを見つけるということです。
そもそもそんな希望する職場があるかやぱり不安なんですよね。
たとえばいまの職場では人間関係がめちゃくちゃ悪くても、月給やボーナスが良ければ「この給料以上をもらえる職場って見つかるのかなぁ」と不安になります。
しかもたとえ見つかったとしても、そこで必ず雇ってもらえる保証もありません。
そういう意味では多少の不満があったとしても、いまの職場の方が働きやすさを感じて居座ることを選んでしまいます。
スポンサードリンク理学療法士の転職の流れや手順
前置きが長くなってしまいましたが、理学療法士の転職の流れや手順をここで確認しておきましょう。
1.転職を決意する。
↓
2.病院や介護施設の求人を探す。
↓
3.電話でコンタクトをとって見学させてもらう日程を決める。
最近は先に履歴書や職務経歴書を送るところも増えている。
↓
4.面接
希望する条件を伝えて、採用側から待遇を提示してもらう。
↓
5.条件を受け入れて就職するかどうか決める
↓
6.職場に退職願いを提出
↓
7.退職&転職完了
おおまかにはこんな感じになります。
1~5をやっている時期はできるだけ職場の上司や同僚には内緒にしましょう。
就職活動をしていることがバレると、嫌がらせを受けたり、ボーナスの査定が厳しくなったりすることがあります。だってもうその職場を見限ろうとしているんですから、職場にとっては不必要な人という扱いになってしまいます。
6の退職願いを出すときには、職場の就業規則や雇用契約書を必ず事前に確認しておきましょう。
退職日の3ヶ月以上前に伝えれば、職場にとってはその後のことを考える時間があるので助かりますが、就業規則や雇用契約書に「退職日の1ヶ月以上前に」と書かれていれば1ヶ月と1日前に伝えればOKです。
可能であれば現在の職場で波風立てず辞めるのが理想ですが、どうがんばっても辞めるときは何かしらのトラブルや嫌がらせがある場合もあるので、ある程度は腹をくくって切り抜けましょう。
スポンサードリンク0.理学療法士が転職を決意する前に考えるべきこと?
さあここからが今回の記事でお伝えしたかったことです。
まず「0(ゼロ)」と表記しましたが、そもそも転職する前にいまの状況をもう一度、いや一度といわずに二度三度と冷静に見つめてみる機会を持ちましょう。
何か嫌なことがあったときって隣の芝生は青く見えるもので、「こんな状況だったら他の病院にいった方がましだ」と思ってしまいがちです。そうならないようにまずは冷静に、可能であれば第三者にも意見を聞いてみましょう。
理学療法士としてなぜいま病院や介護施設を選んだのか?
まずいまの状況を見つめ直すときに考えて欲しいのですが、そもそもなぜいまの職場を選んだのでしょうか。
コネ?お金?すごい先生がいたから?家から近いから?急性期の病院だったから?在宅の仕事がしたかったから?そこにしか就職試験に通らなかったから?
いまの職場に就職を決めたということは何かしら選んだ理由があるはずです。
その理由はいまどうなっていますか?もう必要ないものとなっていますか?(例:すごい先生がいたけど、辞めて違う病院に移ってしまったなど)
もしその職場を選んだ理由にまだ後ろ髪を引かれる想いがあるなら、再考の余地があるのかもしれませんよ。
いま勤めている病院や介護施設の給料はそんなに安いのか?
もしいま勤めている病院の給料やボーナスが安いことを理由に転職を希望しているのであれば、同級生にいまいくらもらっているのか単刀直入に聞いてみましょう。
あと転職サイトやハローワークの求人票を見て、いまの自分ならいくらもらえそうなのか、可能な範囲で確認してみましょう。
いまよりも給料はもらえない可能性もありますよ。
いま勤めている病院や介護施設のスタッフとの関係はどうなのか?
人間関係を理由にいまの職場を辞めて転職を考えているのであれば、どのような人間関係の問題があるのでしょうか。
いま起きている問題は、転職して新しい職場に移ってもまた起こる可能性はありませんか。自分に原因があるなら、また起こる可能性は高いですよ。
あと仲がよいスタッフもいると思いますが、その人たちとの仕事上の関係を切ってでも、転職することにはメリットがあるのでしょうか。
いま勤めている病院や介護施設で本当に自分の成長が見込めないのか?
いまの職場でやりたいことができない、いまの職場には将来性がないと思っているのであれば本当にそうなのでしょうか。
自分よりもがんばっている先輩や後輩がいるなら、あなたはまだ努力が足りていないのかもしれません。
スポンサードリンク1.理学療法士の転職で辞めたい理由よりも明確にするべきこと
いまの職場の状況を見つめ直せとはいいましたが、そうはいっても「転職したい」と思っているいまの状態なら、あまり前向きに考え直すことは難しいでしょう。
「いまの職場はこういうところがダメだ」と悪い理由ばかり見つかってくると思います。
でも悪い局面ばかり愚痴っている人は、転職してもまた悪い部分ばかり見えてしまいます。そうなると転職してもまたすぐに辞めることになるでしょう。
そこで転職では辞めたい理由ばかり考えるのではなく、「◯◯がしたいから転職する」と前向きな理由に置き換えて考えるようにしましょう。
×忙しすぎるから辞めたい
↓
◯家族との時間を大切にしたいので転職する
×給料が安いから辞めたい
↓
◯もう少し給料があれば勉強会や学会に参加しやすくなる
×この病院にいてもやりたいことができない
↓
◯新しい分野に挑戦したいから転職する
ちょっと強引ですけど、後からお伝えする志望動機のところにもつながってきますので、しっかり覚えておいてください。
スポンサードリンク2.理学療法士の転職で給料は絶対上がるのか?
ここまで何度も給料のことは書いてきましたが、なんでこんなに給料のことばかり書くかというと、やっぱり転職を希望する理由に給料が絡んでいるからです。
極端な話、いまの職場が嫌でも月給100万円くれるならずっといると思うんですよね。それが月給20万円そこそこだからやっぱり我慢できない。これは当たり前だと思います。
ただこれも何度も書いていますが、いま現在転職すれば必ず給料が上がるかといわれれば答えはNOです。
特にここ数年は給料は下がってきているので、特に何か強みを持っていないと高く自分を買ってもらうことなんてできません。
「転職するごとに給料が上がります」と書いているサイトもありますが、その人は上がってもみなさんが絶対上がる保証なんてないですし、そもそもその人とは経験年数も理学療法士としての能力もすべてが違うわけですから参考にはなりません。
上がる可能性もありますが、絶対上がるわけではないと考えておきましょう。
給料を増やすコツについて最後の方でご紹介しています。
スポンサードリンク3.理学療法士の転職時期は?タイミングはいつがベスト?
新卒なら就職時期は4月になるのですが、既卒の理学療法士が転職するタイミングはいつがいいのでしょうか。
単刀直入にいうと転職したいときでいいと思います。
でもそう結論付けると身も蓋もないので、ひとつデータを用意しました。
理学療法士や作業療法士、言語聴覚士の求人情報を提供しているPT-OT-ST.NETみなさんもご存知だと思いますが、そこに興味深いデータが掲載されていました。
PT-OT-ST.NETの求人募集を開始する時期はこんな感じになっています。
画像引用) PT-OT-ST.NET「PT、OT、STの求人募集を開始する時期は2月、6月、9月、が多い!」
これを見ると年初の1月や2月が多くなっているのがわかりますが、これは4月にスタッフが辞めることになったので募集を開始したり、4月から始まる新制度や新規事業に対応したりするために募集しているのだと思います。
あと9月の募集が多いのは新卒狙いでしょうか。
注目して欲しいのは6月。
6月が多いのは新卒を4月に採用したけどすぐに辞めてしまったケースなのかなと予想します。そういう場合には病院や介護施設はすぐにでも働ける人を求めているので、即戦力である既卒は売り込みやすくなります。
まあPT-OT-ST.NETは既卒向けの内容が多いので、これらはあくまで推察のレベルですが・・・。
スポンサードリンク4.理学療法士が転職する年齢は?何歳でも転職できるの?
先ほど「そこそこ年齢がいっていると転職を躊躇する」と書きましたが、じゃあ理学療法士は何歳で転職するのがベストなのでしょうか。
20代(大卒や専門学校卒で考えると経験年数8年くらいまで)の転職には何の支障もないでしょう。20代なら結婚してても家族が少ないでしょうから自分にお金も時間も使えるの伸びしろは大きいです。
ただしいくら20代でも、20代のうちに3回以上転職しているとマイナスに見られると思いますので注意しましょう。
個人的には20代のうちに1回転職を経験して視野や人間関係を広げることをおすすめします。20代なら柔軟性があるので新しい職場でもすぐに適応えきるので。
30代になれば転職には少し慎重になってきますよね。ある程度経験もしていますし、家族やマイホームを背負っている人も増えているでしょうから、求めるものが高くなっているしょう。
30代の転職では「これが最後になるかも」という気持ちで挑むことをおすすめします。なぜなら採用する側も年齢を気にするようになる時期だからです。
もちろん30代後半でも転職できないわけではありませんから、あまりかたくなりすぎる必要もないですよ。
問題は40代以降です。この年齢になると背負っているものが大きくなっているので、求めるものもどうしても大きくなり自分でハードルを上げてしまいます。
一方で採用する病院や介護施設側も、他のスタッフとの年齢構成を考えるとあまり歳をとった人をとりたがらないです。(若いスタッフが新しく入ってくる人に気を使わないといけなくなったり、給料を高めにする必要があるから)
もちろんよっぽど欲しい人材であれば採用はするのでしょうが、ハードルはやはり高めです。
そうなると就職希望者も採用希望者もどちらのハードルも高いので就職まで至る可能性は低くなります。
そう考えると可能であれば20代では転職してもいいので、30代前半くらいまでに長く勤められる職場を見つけるのがベストなのかもしれません。
スポンサードリンク5.理学療法士の転職を資格で有利にするには?
理学療法士として転職するときに資格をもっている有利に働くことがあります。
たとえば最近でいうと認定理学療法士・専門理学療法士をとっていると優遇してもらえることもあります。
認定理学療法士・専門理学療法士をとっていても保険点数のメリットは全くありませんが、研修会や学会に積極的に参加して自己研鑽しているとわかってもらえたり、自分が強みである分野が一目瞭然です。
認定理学療法士はちょっと微妙なのでできれば専門理学療法士を取得しましょう。
その他にも、
- 心臓リハビリテーション指導士
- 糖尿病療養指導士
- 呼吸療法認定士
- ケアマネージャー
なども就職に有利に働くことがあります。特に介護老人保健施設や訪問看護ステーションで働くときには、ケアマネージャーの資格は介護保険の知識が必要な場面が多いであった方がいいです。
ボバースやSJFなど民間の講習会の修了書はあってもいいのですが、あくまで民間団体がやっていることなので、それほど期待しないほうがいいでしょう。
6.理学療法士から転職で他職種にいくのはどう?
理学療法士から他職種や他業界への転職を考える人も最近増えてますが、実際には躊躇してしまいます。私のまわりでは理学療法士から他職種に転職した人もいて、その人たちの意見をまとめるとこんな感じです。
理学療法士はつぶしきかないというのはウソ
いろんな理学療法士のブログやサイトを見ると「理学療法士はつぶしがきかないから他職種への転職はおすすめできない」と書かれていることが多いです。
たしかに理学療法士って閉鎖的な業界なので、そこから飛び出してつぶしがきく仕事ってなさそうな気もします。
でも実際には「つぶしがきかない」と書いている人のほとんどは、他職種に飛び出したことがない人だから、そもそもつぶしがきくかきかないかの判断ができません。
実際、他職種や他業界に飛び出して活躍している人も多いので、そういう意味ではつぶしがきかないというのはウソだと思います。
理学療法士に戻れる可能性は残されている
仕事を選ばなければ、理学療法士の求人は5年後も10年後もそこそこあると私は考えています。もちろん仕事を選ばなければという条件付きですが。
しかも求人票をみていると「ブランク可」と書いている案件も多いので、もし他職種や他業界に飛び出しても理学療法士の免許がなくなるわけではありませんので、ダメだったらまた戻ってきて理学療法士を続ければいいのです。
「他職種や他業界に飛び出す=理学療法との今生の別れ」みたいなイメージで考えるから問題を難しくしているのではないでしょうか。
他職種でやっていくのが不安
これもよくいわれていますが、そもそもみんな最初は初心者で、理学療法士として働き出したときには理学療法士も初心者だったわけです。
不安がなくなることはないでしょうから、リスクを背負う覚悟ができないならいまの境遇を受け入れて働き続けるしかないでしょう。
他職種への転職を考える時点で大きな壁をぶち壊す必要があり、悩んでる場合じゃないですよ。
理学療法士から転職で一般企業にいくなら?
理学療法士から一般企業にいった私の知り合いの例です。
- インソール製作会社
- 建築士の資格もとって設計事務所で住宅改修アドバイザー
- 介護用品販売店の立ち上げ
- マッサージ店の立ち上げ
- 市会議員
- 教師
- 普通の会社の事務員
理学療法の知識を活かした仕事が多いですが、全然畑違いの仕事をしている人もいます。
7.理学療法士の転職の志望動機で絶対口にしてはいけないこと
いざ転職しようとするときには必ず面接があるわけですが、志望動機で絶対口にしてはいけない言葉があるのをご存ですか。
それはいまの職場の文句や悪口です。
たとえば給料が安くても、理事長が馬鹿でも、上司がクソみたいな人でも、違法なことをしていても、やりたいことをやらせてもらっていなくても、どんな理由があろうともいまの職場を悪くいうのはダメです。
理由は簡単なんですけど、いまの職場の文句をいう人は転職してもまた同じことを繰り返す可能性が高いからです。人間そんなに簡単には変われません。
あと誰かの文句や悪口は中のいい友だちとお酒の席でぐだぐだいうてたら楽しいのかもしれませんが、面接の席で、しかも初対面の人にいうべきことではありません。知らない病院や介護施設のことでも、あまり良い気分にはなれませんよね。
先ほども少し触れましたが、転職するのはあくまで前向きな理由であって、「いまの職場に不平不満が募って転職するわけではない」という立場に立つべきです。
8.理学療法士の転職のコツは?
ではいよいよクライマックスに近づいてきましたが、理学療法士が転職するときのコツについて希望するパターン別に解説していきます。
理学療法士の転職で高給を得たい人はどうすればいい?
なんとか給料を上げたい、いまより1円でもいいから(実際1円だと嫌ですけど)給料が欲しいという人が選ぶべき方法は、訪問看護ステーションに就職するか、転職サイトを利用するかの二択です。
訪問看護ステーションでの訪問リハビリはインセンティブ(やればやるだけ給料をもらえる制度)を導入している数少ない理学療法の職場です。朝から夜遅くまで、毎日10件近く訪問すれば年収500万円も可能ですし、中には休みも削って年収600万円オーバーという人もいます。
気をつけておきたいのは同じ訪問リハビリでも、病院やクリニックでやっている訪問リハビリと、訪問看護ステーションでやっている訪問リハビリ、同じ訪問リハビリの仕事ですが、後者の方が圧倒的に給料が高い傾向にあります。
特に大手ではなく最近できたばかりで、リハビリに力を入れている訪問看護ステーションでは、マンパワーが不足していることが多く、高めの給料で募集していることが多いです。
あとインセンティブは、「◯◯件以上は1件□□円」と表記しているところと、「△△時間以上で1時間いくら」と表記しているところがあります。
訪問リハビリの多くが40分単位であること考えれば、1時間いくらで実績で応じてもらうより、40単位の1件いくらでもらった方が圧倒的に有利です。このあたりはちゃんと確認しておきましょう。
もうひとつは転職サイトを利用すること。転職のためのエージェントを利用して、給料が高いところを探してもらったり、給料交渉してもらうことでいまより給料が上がる可能性があります。
おすすめの転職サイトについて最後にお伝えしますね。
理学療法士の転職でやりたいことができる職場を見つけるにはどうすればいい?
やりたいことというのはちょっと曖昧な表現なのですが、たとえば比較的理学療法士に人気の整形の急性期や回復期で働きたいという場合です。
急性期とか回復期の求人情報ってPT-OT-ST.NETでもハローワークでもあまり見かけないんですよね。
人気があるからすぐに埋まっているのか、誰かの紹介で募集がでずに決まっているのかはわかりませんが、あまり求人票を見ないです。
自分が希望する理学療法分野が人気でれば、人伝いに情報を集めるのが一番です。
具体的には学校の先生や同級生に自分が転職先を探していることを伝えて、「どこかいいところあれば教えてください」といっておけば、何科情報がまわってくるでしょう。
理学療法士の転職で家の近くの病院や介護施設を見つけるには?
PT-OT-ST.NETだと範囲が全国になってしまうので大きすぎるんでしょね。
家の近くの病院や介護施設、訪問看護ステーションで就職を見つけるならハローワークを利用してください。
ハローワークのインターネット検索サービスでは、探したい市区町村を指定することができるので、自分の住んでいる市区町村やその周辺で探すことができます。
理学療法士の転職で休みが多いところ見つけるにはどうすればいい?
家族がいて、「土日休みがいい」「理想をいうなら土日祝休み」という人もいると思いますが、休みが多い職場を見つけるにはどうしたらいいのでしょうか。
これは転職サイトを利用して、担当のエージェントに「土日が休みの職場を探してください」と伝えれば探してきてくれます。
あとハローワークもインターネットで検索すると、検索結果一覧画面で休みがいつかわかるので、それで探してもいいと思いますよ。
理学療法士の転職を手っ取り早く決めたい人はどうすればいい?
とにかくいまの職場が嫌で嫌でしょうがない、明日でも転職したいという人はどうすればいいのでしょうか。
既卒でいま現在働いていると、転職先を探したり、見学にいったりする時間に制限ができます。有給休暇を使って見学に行かないといけませんからね。
そういう人に絶対おすすめなのは転職サイトを利用することです。エージェントに希望する理学療法分野、エリア、給料、休日などを伝えておけば、条件に合うところをピックアップしてくれます。
9.理学療法士の転職サイトでおすすめは?
ここまで理学療法士の転職についていろいろ書いてきましたが、最後は転職サイトについてです。
転職サイトを利用したことがある人ならその利点を理解されているかもしれませんが、これまで転職サイトを利用したことがない人はそのメリットがわからないと思いますので、転職サイトについて簡単に解説しておきます。
そもそも理学療法士の転職サイトって何?
理学療法士に限らないのですが、看護師でも薬剤師でも医師でも、もっといえば保育士やSE、最近ではタクシードライバー、トラックの運転手のも転職サイトが存在します。
転職サイトは簡単にいうと仕事の紹介業ですね。ただ単純にボランティアで紹介しているわけではなく、転職サイトはきっちり報酬を得ています。
どんな仕組みなのかはこちらのイラストをご覧ください。
転職サイトは求職者に登録してもらって、希望する条件の病院や介護施設を探します。時には給料交渉をしてくれたり、面接に同行したり、履歴書の添削をしてくれたりします。
転職サイトの良いところは求職者は完全無料で利用できることです。
じゃあ転職サイトはどこから報酬を得ているかというと、求職者が就職した病院や介護施設から紹介料をもらいます。
こちらをご覧ください。
理学療法士を紹介してくれば病院や介護施設は、就職してくれた理学療法士への給料とは別に、初年度の年収ベースの約20%を別途紹介サイトに支払います。
ここでのポイントも求職者はお金を支払っていないんですよね。つまり無料です。
転職サイトで働いている人は誰かを紹介しないとお金を稼げないので、そりゃもう必死になって探してくれますし、嫌な顔ひとつせず給料のことも突っ込んできいてくれます。これは本当にありがたいです。
転職サイトを利用するメリットは?
「でもこれだと病院や介護施設は余分にお金がかかるから、転職サイト経由で理学療法士を雇うことをためらうんじゃないの?」と思うかもしれませんね。だって求人募集して求職者が応募してくれたら、転職サイトに支払う報酬が必要ないのですから。
私も最初この点が疑問だったのですが、自分が利用してわかりました。
理学療法士が人余りの時代になったといっても、求人募集を出せば絶対に募集してくれるかはわからないんですよね。
特に小さな町のクリニックやまだできたての訪問看護ステーションの求人の情報なんて、理学療法士の耳に届く可能性は低いです。あとどんなところか情報がないと、就職しようってならないです。
だったら転職サイトに紹介してもらう方が病院や介護施設にとっても手っ取り早いんですよね。
もし求人を出しても1ヶ月以上応募がないんだったら、年収の20%の報酬を支払ってでもすぐに転職サイトに紹介してもらって1ヶ月分稼いでもらう方が病院や介護施設にとってもよほどプラスになります。
ですからうまくいけば転職サイトを利用することで、
- 求職者:就職先を無料で斡旋してもらえるのでラッキー
- 転職サイト:報酬を得られる
- 理学療法士を求めている病院や介護施設:いつ応募があるかわからない状態だったのにすぐに理学療法士を紹介してもらた。まあお金はかかったけど
という感じで、win-winになれるわけです。
実は私も以前、転職サイトを利用して転職を経験していて、安心して転職活動ができました。
転職で行き詰まっているなら本当におすすめなので、登録してエージェントに話を聞いてもらったらいいですよ。