理学療法士の実習レポートの書き方を分かりやすく解説

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理学療法士の実習レポートは短い方がいい!その意味が分からない方は実習は危ういですよ。

理学療法士になるための最大の関門、それはやはり実習です。

慣れない環境に身を置き、理不尽なことを言われても評価される立場ですのでやり切るしかありません。

 

そんな実習の最大の壁が評価レポートや臨床レポートではないでしょうか。

でも皆さん、レポートって長くない方がいいって知っていますか?

 

目次

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コピー用紙を使い切る学生

私が理学療法士の学生だった頃、実習が終わる度にみんなで報告会をしていたのですが、そのとき必ずこんなことを話している同級生がいました。

「コピー用紙を1つ使い切りましたわ」

コピー用紙を1つ、つまりA4のコピー用紙500枚使ったということです。

デイリーノートにももちろん使う場合があると思いますが、その大半がレポートに使われています。

 

でもここでよく考えてみてください。どんなに紙を使っても500枚使うってちょっと異常だと思いませんか。

だってレポートを1回提出するとしても、多くても10枚ちょっとでしょう。提出は毎日ではないでしょうから、8週間の臨床実習中に15回提出したとしても150枚しか使いません。

 

もちろんケースが2症例、3症例になればその2倍、3倍と必要になりますが、3倍使ったとしても450枚。デイリーノートの分を合わせても500枚あれば足りるはずです。

でも実際にコピー用紙を1つ使い切る人が必ずいました。

 

これってどうなんでしょうね?

 

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長いレポートは分かりにくい

学生の頃は長い(分厚いともいう)レポートを提出することが良いことだと思っていました。

できるだけたくさんの情報をとり、必要な全ての検査をして、統合と解釈を考える。そうすれば自ずとレポートは分厚くなります。

「レポートを◯◯枚書いたぞ!」というのが正義であり、誇りだった気がします(笑)

 

でも実際に理学療法士になって実習生を担当するようになって感じるのは、「長いレポートは分かりにくいものが多い」ということです。

 

なぜか?

 

昔の私のように書きたいことを書き尽くした文章は、本当に重要な情報を抽出できず、ただ全ての情報を盛りつけているだけだからです。

全然違う例え方をしてみましょう。その症例の本質を「バイザーが食べたいもの」としてみましょう。

 

バイザーはおいしいトロの握り寿司を食べたいと思っていて、実習生に「私が食べたいものは何だと思う?」といろいろヒントを出して当ててもらおうとします。

実習生は与えられたヒントから「何か魚が食べたいみたいだなぁ。刺し身っぽいんだけど・・・」とそこまでは理解しますが、バイザーが本当に食べたいその一品が思いつきません。

困った実習生は「ええい、数撃ちゃ当たるだろう」と海鮮丼をバイザーに用意しました。

 

バイザーが食べたかったのはトロの握り寿司。でも実習生が用意したのはトロも入った海鮮丼。

長々書いているレポートは、たくさんの魚が盛りつけられて良く見えますが、バイザーが本当に食べたいものがどれなのか分かっていません。

 

つまり物事の本質を捉えていないということです。

 

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パスカルが残した言葉にヒントがある

中世フランスの哲学者のパスカルをご存知でしょうか。

「人間は考える葦である」と言えば分かりますか?それとも昔数学で習ったパスカルの三角形と言えばピンとくるでしょうか。

 

パスカルの有名な逸話にこんなものがあります。

 

パスカルが友人に手紙を送ったときに、その手紙は長くなってしまったそうです。

そのときパスカルは文章の最後にこう謝罪ました。

 

「今日は時間がなかったのでこのように長くなってしまった」

 

時間がなかったので長くなった?なんのこっちゃってなりませんか?

普通は逆で、時間がなかったら手紙は短くなって、時間があれば手紙は長くなりますよね。

 

でもパスカルは時間がなかったから手紙が長くなったと謝罪しています。これは一体どういうことなのでしょうか。

これを考えるとき、先ほどのレポートの話を思い出してください。

 

バイザーがレポートで提出して欲しいのは、その症例の核心部分とそれを裏付ける情報や検査結果であり、それ以外の情報や検査結果はなくてもいいわけです。

たとえば担当した大腿骨頚部骨折の患者さんの肩関節の可動域が正常ならば、それを時間をとって計測する必要はないですし、レポートに記載する必要もありません。

 

物事には具体と抽象という概念があり、バイザーが実習レポートで求めているのは抽象化した核心となる部分です。

でも実習生がいつも書こうとするのは、具体的なひとつひとつの情報や検査結果ばかり。

しかも具体的な情報や検査結果を抽象化するときに間違った方向に上げてしまい、全く違う結論を導いてしまいます。

 

パスカルがなぜ長くなったことを詫びたかというと、時間があればもっと抽象化して本質を伝えられる文章を書けたのに、時間がなかったから書けなかったということです。

 

この具体と抽象の考えは、臨床に出れば何となく身についていくものですが、学生時代に「抽象化するとはこういうことです」と教えてもらうことはできません。けっこう大事な考え方だと思うんですけどね。

具体と抽象を正しく行き来できれば、実習で見えてくるものが大きく変わってきます。もし興味があればこの本がとても参考になりますので読んでみてください。

 

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まとめ

理学療法士の実習レポートの書き方についてお伝えしてきました。

 

実習でレポートを書くのは本当にしんどいですが、一人の症例を深堀りして、理学療法の流れを学んでおかないと、実際に仕事を始めてからえらい目に遭います。

間違っても先輩や同級生が作った同じ疾患のレポートを写したりしたらダメですよ。写したりすると、抽象化するところで必ず誤ってしまいます。

具体と抽象。この概念はぜひ知っておいてください。

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